授乳うまく飲めない吸えない赤ちゃんにはどうする? 母乳育児第4回

育児のかけこみ寺へようこそ!

おおたかの森助産院
山本正子先生

今回は、うまく母乳を飲めない赤ちゃんにはどうする? 母乳育児の「マッチング」についてお話しします。
お母さんに血流が良い人と悪い人がいるように、赤ちゃんにも、うまく飲める子と飲めない子がいます。このかけあわせ(マッチング)がどうかということが、とても大切なポイントです。

あなたと赤ちゃんはどのタイプ?

では、うまく飲めない赤ちゃんの場合はどうすればいいのでしょうか。赤ちゃん側からのアプローチをお話しします。

どうしてうまく飲めないの?

うまく飲めない子は、鼻の通りが悪くてうまく呼吸ができず、そのために口が大きく開けられない、舌がうまく使えない、からだが硬いことが多いようです。

またご両親のどちらかもからだが硬く、いびきをかく・鼻水がよくでる・鼻炎など、鼻が弱い傾向があるようです。遺伝ですので、なんとなく予想できるのではないでしょうか。

「うちの子、うまく飲めないな」と感じていらっしゃる方は、どうぞ無理なさらず、専門家(母乳外来/助産師)に飲ませ方もしっかりみてもらいましょう。

うまく飲めない子の特徴は?

・からだが硬く緊張してつっぱっている
・よくのけぞって泣く
・向き癖がある
・いつも鼻くそがつまっている
・イビキをかいている
・鼻がズビズビいう、鼻息が荒い
・授乳中によくむせる、よく吐く
・うまく飲めずによく大泣きする、または逆に全く泣かずよく寝る

こうした子は、横で抱かれるよりも縦で抱かれる方を好み、横抱きの授乳が難しい場合があるでしょう。
では、このような子にはどうしてあげたらいいでしょうか?

うまく飲めない子への対処法

●からだをさする

私は、お母さんに赤ちゃんのからだをなでるようにして(圧は一切加えず、さするだけ)、からだをゆるめてあげるように伝えています。

たとえば向き癖のある赤ちゃんには、向いている方と逆側の首や肩を、オイルをつけて肌をすべらせるようにしてあげましょう。

赤ちゃんの皮膚の神経はとても敏感です。圧は一切加えず、さするだけで充分ですよ。お母さんの手には、愛情というとてもすごいパワーがありますからね、魔法の手です。
からだがゆるまると、おっぱいを飲むとき、首の角度にあそびができて、向き癖とは反対側を向いた時に口があけやすくなったり、息つぎがしやすくなったり、舌の使い方がよくなります。

もちろん、これだけでスムーズに飲めるようになるわけではありませんが、「赤ちゃんのお口が大きくなるまで待ちましょう」ということ以外にも
やることはありそうです。

それに、もし飲み方が変わらなくても、抱きやすくなったり、よく眠るようになったりと親子ともにうれしい効果もあるでしょう。ぜひ、服を着ているときは服の上から、お風呂上がりはオイルをぬって、ゆっくりさすってあげてくださいね。

●縦抱きの授乳

お母さんと赤ちゃんの両方ともからだが硬いコンビだと、よく見る優雅な横抱きの授乳よりも、赤ちゃんの首をしっかり支えて深くくわえられるようなポジショニングがおすすめです。

まず、お母さんがしっかりと胸に赤ちゃんを押し付けるようにします。赤ちゃんのお顔は上向きにして、下あごをおっぱいにつけるようにくわえさせると、深くおっぱいがお口に入ります。

ただ、縦抱きがうまくいかないおっぱいの形もあるので、ポジショニングや抱き方は助産師にみてもらうと良いでしょう。

まとめ

母乳育児がうまくいかない場合をよくみてみると、お母さんと赤ちゃんの双方のからだが硬いことも影響しているようです。

赤ちゃんが良く飲む子の場合、お母さんの方にトラブルがあっても解決しやすく、逆に赤ちゃんが飲まない子の場合、お母さんの方にトラブルがなかったとしても、問題になることが多いと感じます。このように、母乳育児のキーマンは赤ちゃんと考えてもよさそうです。母乳育児があまりうまくいっていない場合は、自分たちがどんなコンビか、また飲ませ方が合っているかどうか、専門家にしっかり見てもらいましょう。

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※本コラムは、ライター桃子が山本先生へ取材した内容をまとめる形でお届けいたします。

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