人によっては入院するケースもあるほど重症化する「つわり」。
1歳の娘を育てるママライターも、妊娠中この「つわり」に苦しめられた一人です。
そんな「つわり」に対して、辛さを軽減できるかもしれないという研究が発表されたので、紹介します。
「つわり」重症化のリスクを低減できる可能性が研究で明らかに
英科学誌『Nature(ネイチャー)』に掲載された研究論文によると、「つわり」は妊娠中の母親が胎盤を通じて、胎児から受けとる特定のホルモンに関連しているそう。
そしてこのホルモンを妊娠前の女性に投与することで、重いつわりを回避できる可能性が出てきたといいます。
「GDF15」がつわり低減のカギ
成長分化因子15 (GDF 15) として知られるこのホルモンは、人間の体内で産生され、食欲や吐き気を感じる脳の部位に信号を送るタンパク質で、母体の胎盤に多く含まれているそう。
2023年12月13日に発表された英ケンブリッジ大学主導の研究によれば、つわりの重症度には、胎児が作り出すGDF15の量と、母親がGDF15の吐き気作用に対してどれだけ敏感かが直接関係しているとのことで、GDF15の長期的な投与によって、つわりが重症化して妊娠悪阻を発症するリスクを低減できると考えられるそうです。
「つわり」の原因追求の遅れとジェンダー
長年多くの女性が辛さを強いられてきたにも関わらず、効果的な薬や方法が解明されていなかった「つわり」。
ですが、この背景にはそもそも当事者である女性が研究者に少ないなど、ジェンダー格差も要因の一つだったのではないかという見方もされています。
つわりだけではなく、月経や更年期など、その他の女性特有の健康問題は、このように軽視されてきた傾向にあるとされています。
子供たちが、ジェンダー格差による不利益を被らないためにも、ママである私たちができることを考えていきたいと強く感じる研究結果です。
※参考:Forbes Japan「妊婦のつわりの原因を特定、重症化予防の可能性も 英ケンブリッジ大研究」https://forbesjapan.com/articles/detail/68021(2023/12/15)
趣味は読書、語学、外国語絵本集め。娘がもう少し大きくなって一緒にたくさん絵本を読む日が楽しみです。