言葉のかけ方によって決まる!
子どもの自己肯定感の育て方

最近よく耳にする「自己肯定感」という言葉は、文字通り自己を肯定する力ですが、日本人の若者は諸外国と比べて自己を肯定的に捉えている人の割合が低いことはご存じですか?

子どもには自分を肯定する力をつけて、自信をもって生きていってほしいと願いますよね。
そこで、今回は、自己肯定感とは何なのか?どのように育むことができるのか?について調べてみました。

自己肯定とは?

「私は愛される価値がある」「自分には何かできることがある」「私が生きていることには意味がある」「自分は大切な存在だ」「私は私が好き」というふうに、自分を自分で肯定的に捉える感覚を「自己肯定感」といいます。

自己肯定感が低い子どもは「自分は何をやってもダメだ。なにをしてもうまくいかない。」という気持ちをもつようになるため、何事に対しても取り組む姿勢が消極的となってしまいます。例えば、他人とコミュニケーションをとるのが苦手だったり、人と話し合うことができない子に成長する可能性があります。

人との信頼関係を築く為に、「自分自身をそのまま受け入れられる気持ち=自己肯定感」を子どもの頃から育てる必要があります。

国際比較から見えてくる日本の若者

現代の日本のこどもたちは自己肯定感が極めて低いと言われています。
例えば、アメリカやヨーロッパの子どもたちは8割が自己肯定感を持っているのに、日本では4割台にすぎません。

参照:内閣府 自己肯定感に関する調査

戦後目覚ましい経済復興を遂げ、急速にグローバル化が進み、世界で活躍する人が増えている中で、諸外国と比べて自己肯定感が低いということは、子どもたちの未来に深刻な事態を招きかねないと感じます。どうしたら自己肯定感を上げることができるのか、家族・学校・地域で真剣に考える必要があります。

自己肯定ができなくなる!NG言動!

自己肯定感が低くなる要因として、日本の文化的、歴史的な背景とともに、教育のシステムや働き方、家庭のあり方や子育てなど、様々な要因が考えられます。

家庭のあり方や子育てに関しては、親からどんな言葉をかけられていたのかが重要になってきます。親が子どもに常日頃どんなふうに声をかけるのかによって、子どもの心は全く変わるようです。そこで、自己肯定感を育むうえで気を付けなければならない親の言動を11個紹介します。

①いたずらしたとき

「悪い子ね」「イヤな子ね」「どうしてそんなことをするの?」
悪いのは行為であって、人間性まで否定する怒り方をしてはいけません。子ども時代に、自分はどういう人なのか、という自己のイメージを築くため、その大切な時に人間性を否定される言葉をかけられると、自分は悪い子、自分はイヤな子といったマイナスのイメージを持って成長していってしまいます。

いたずらしたときは、いたずらした直後に言った方がよく「道路に飛び出すと車にひかれちゃうよ」となぜダメなのか伝えます。

②悪いことをし、他人に迷惑をかけたとき

「何をやっているの!ダメじゃないの!」「そんなことをすると、お父さんに叱られますよ」
いきなりどなられたり、叩かれたりした子どもは、怖いのでその場ではやめるかもしれません。しかし、何をしたことがどのように悪いのかがわからないと、また同じことをして、叱られます。
悪いことをしたときも、直後に言った方がよく、「電車で騒ぐと他の人に迷惑がかかるよ」と子どもが何が悪いか理解できる叱り方をしましょう。
また、その場にいない他の誰かの権威を持ち出さず、自分自身の責任で叱らないといけません。

③同じ間違いを繰り返すとき

「昨日も言ったでしょ!」「何度同じことを言ったらわかるの!」
子どもの時間の感覚は大人とは異なります。この間と言われても何のことだかわからない可能性があります。悪いことをしたら、その場で手短に叱って終わりにするよう心がけましょう。

④上の子/下の子が言うことを聞かないとき

「上の子/下の子はそんなことしないのに、あなたはどうしてそうなの?」
子どもは兄弟姉妹、友だちと自分を比べながら、自分のイメージを育てていきます。他者と比較して、自分の方が劣っていると親から言われるほどつらいことはありません。比較せずに、1対1でしてほしいこと、してほしくないことを伝えていきましょう。

⑤ほかの子どもをぶったり、物を投げたりしたとき

「そんなことをするなんて、うちの子じゃない」「おかぁさん嫌いよ。出ていきなさい」
親は本気ではないにしても、子どもは言葉どおりに受け止めてしまいます。世界中で一番好きな親から嫌われてしまうことは、子どもにとってショックで傷つきます。
この言葉の代わりに、「〇〇ちゃんはお母さんの大切な子だから、そんなことしないで」に代えていきましょう。

⑥お手伝いをしたがるとき

「何やってるの?よけいなことしなくていいの!」
子どもが子どもなりに考え、一生懸命やったことでも失敗してしまうことがあります。動作の結果が親のイライラにつながることもありますが、子どもが何をしようとしてくれたかに注目して「お手伝いしてくれようとしたんだね。でも今はママがやるね」などまずお手伝いをしてくれようとしたことを褒めてあげてください。

⑦甘えてねだるとき

「今日だけよ」
ご飯の前にお菓子をねだる行為は我が家でもよくあります。そんな時に「今日だけよ」と言ってあげてしまいがちです。しかし例外は子どもを混乱させるだけです。家族内でも例外は作らずにダメなものはダメという一貫性を持たせて叱る必要があります。

⑧やるべきことをやらなかったとき

「どうして、言うことが聞けないの?」「なぜ忘れたの?」
子どもは忘れたことに確たる理由はほとんどの場合ありません。どうして?なぜ?と詰め寄られると答えようがないため黙るしかありません。どうやったらやれるかに注目して話を進める必要があります。
例えば、「〇〇することを忘れちゃったんだね。これからどうしたら忘れないでできるかな?」などと一緒に今後どう成長できるか考えましょう。

⑨グズグズしているとき

「だから、あなたはダメなのよ」「ホントにクズなんだから」
否定的で非建設的な言葉は、子どもは自分はダメな人間だと思い込みます。子どもの行動が遅いのは当たり前です。遅くても丁寧にやっているからかもしれません。
よく観察し、否定的な言葉ではなく「競争して準備しよう!」「時計の針が〇〇にくるまでにやろう」などの声掛けにしていく必要があります。

⑩言うことを聞かないとき

「あなたのために叱っている」
こんな叱り方は、子どもにとっては恩着せがましい叱り方で、反省よりも反発心を起こさせる可能性があります。

「危ないと思ったから言ったのよ」「あなたが〇〇すると、ママは悲しいわ」など、その理由や親の気持ちを短い言葉でさりげなく、根気よく伝えましょう。

⑪男らしくない、女らしくないことをしたとき

「男の子/女の子でしょ!」「男の子/女の子のくせに!」
男女の違いは当然ですが、男の子でも女の子でもきちんとした態度で人に接することを教えていく必要があります。叱るときに男女の違いは関係ないので、この言葉も使わない方がいいようです。

私は普段の生活で、言ってしまっているなぁ・・。という言葉が何個かありました。ついイライラして使ってしまいがちなマイナスな言葉も今後は違う言い方で子どもと向き合っていこうと思いました。

自己肯定力を育む言葉がけ

ありのままの自分を受け入れてもらえる。という気持ちを育むことが大切です!!

例えば、「泣かないで」「怒らないで」という言葉は感情にフタをしてしまいます。自分は何に対して怒っているのか、悲しいのか、嬉しいのか、そういった感情を整理する手助けをする言葉をかけてあげてください。「~で悔しかったね」「~したかったけどできなくて怒れたんだね」「~ができて嬉しかったね」等自分の気持ちに正直になっていることを褒めてあげることで、ありのままの自分を愛せるようになり、感情のコントロールもできるようになります。

「イヤな子ね」「そんなことする子は、うちの子じゃない」「悪い子」等、小さいころから自分を否定されるような言葉をかけられ、長所を見てもらえないまま成長した子どもは、自信を持つことができません。「どうせ自分なんか」と思い込んでしまった子どもは、人生に目標をもって努力することができず、自分の人生を主体的に生きていくことができなくなってその場限りの満足を得ることに終始してしまいます。

子どもを励まし自信を持たせる褒め方、心に寄り添った叱り方、子どもをそのままで受け入れる言葉のかけ方をすることで、子どもは自己肯定感を育てて、自分の力で自分の人生を生きていけるようになります。

私も寝てくれないときや思い通りにいかなくてイライラしたときに思わずマイナス言葉を子どもに使ってしまいがちです。今日からいつもの言葉を一言をちょっと変えて接してみようと思います。それによって子どもの人生が少しでも楽しくて自信に満ちた人生に変わるといいなと思います。

2017年の教育再生実行会議(総理直属の会議)でも、「自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子どもを育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上」が取りまとめられました。今、日本では子どもたちの自己肯定感を育む必要性が提唱されています。子どもたちが自信を持って国内外で活躍できるように環境を変化させていきたいですね。

参考文献1:ほんの木「ほめる、叱る、言葉をかける 自己肯定感の育て方」
参考文献2:教育再生実行会議「自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子どもを育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上(第十次提言)

(ライター マギー)

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