育児のかけこみ寺へようこそ!
「私のおっぱいは大丈夫」と思っていても、
実はトラブルをかかえている場合があります。
おっぱいは、お母さんにとっては今だけでなく、一生つきあっていくものです。
今回は、助産院(母乳外来)へ行った方がいい例や助産師のえらび方について、お話しします。
※【第2回 本来のおっぱいの姿を知ろう】はこちら
おっぱいがボコボコする
うまくいっていると思っていても、
実はトラブルを抱えている場合とは、
どんなものがあるのでしょうか。
よく「おっぱいが張っているときボコボコしてるけど、赤ちゃんが飲めば消えるから大丈夫」と言う方がいますが、それは乳腺の中のつまりが表面に出てきて、飲ませるとかさが減って目立たなくなるだけです。
おっぱいがたまって張っているときに「痛み」があったり「ボコボコ」したりする方は、要注意!
赤ちゃんが乳首を噛む
歯が生えてきたからといって、赤ちゃんが噛むわけでもありません。
「しこりでおっぱいが出ない」「味がまずい」「おっぱいが冷たい」など、
なにかメッセージを出していることが多いです。
赤ちゃんに乳首をのばされる
筋肉がかたい人は、おっぱいの底が筋肉に張り付いてしまっているので、
おっぱい全体ではなく、乳首だけがのばされてしまいます。
母乳をあげたからといって、乳首がかならず伸びるものでもありません。
乳首が伸びてしまうと、1人目はトラブルがなくても、2人目の赤ちゃんが小さいとき飲みづらくなります。乳首が長くなってしまったという方、ぜひ診てもらってください。
左右でおっぱいの大きさが違う
左右で大きさが違うのは、おっぱいの血流が悪い可能性が高いでしょう。
片方のおっぱいがあげやすくて、赤ちゃんもよく飲んでくれるからといって、
片方だけをあげている方もいらっしゃいますね。
しかし、ご自分の胸は赤ちゃんのものではなく、
からだのバランスを崩すことにもなりかねないので、できれば両方飲ませたいですね。
いかがでしょうか?
思い当たるところがあった方は、ぜひ助産師に診てもらいましょう。
助産院(母乳外来)のえらび方
第2回でお話したとおり、おっぱいはこころとからだの状態と密接につながっていますし、多くの母乳外来は自費診療ですから、おっぱいだけでなく、お母さんのこころとからだ、赤ちゃんの様子やご家庭のことなどトータルで査定して一緒に考えて、きちんと納得いく説明をしてくれる助産師をえらぶといいでしょう。
また、母乳育児をするためには、母乳外来に必ずかよわないといけないわけではないのですが、「少しでもおかしい」と思ったら、助産師にすぐみてもらうといいですね。
私が助産師資格を取得する際、「お産を10例程度介助する」という決まりがありましたが、「おっぱいのマッサージや乳腺炎を10例みる」など、おっぱいを実際に勉強する機会がありませんでした。助産師学校の1年は、お産の勉強をするので手一杯なんです。
それでは、多くの助産師がどこでおっぱいを学ぶかというと、最初に勤務した病院、すなわち現場で習います。そして各病院で得た経験や知識をお母さんたちに教えますので、皆さんがよく経験される、「助産師ごとに言っていることが違う」ということになります。
おっぱいには、いろいろな考え方があります。
どれも間違っていないので、私も難しいなと思います。
ですから「ご自分が納得いく説明をしてくれる助産師」を軸に、
えらんでみてはいかがでしょうか?
まとめ
おっぱいのしこりは、授乳中に問題を起こすだけではなく、
授乳後に残ると、マンモグラフィーで映ることもあるようです。
私も、お母さんたちのしこりがなかなか取れない場合には、
乳腺外科に紹介して必ず診てもらっています。
おっぱいは、赤ちゃんにとっては授乳期だけですが、
お母さんにとっては今だけでなく、一生つきあっていくものです。
また、トラブルがなくても、母乳を出す役目が終わった後は、必ず健診を受けましょう!
※山本先生の他の母乳ケアに関する記事もぜひご覧ください。
※本コラムは、ライター桃子が山本先生へ取材した内容をまとめる形でお届けいたします。