知っておきたい乳幼児の心肺蘇生法【胸骨圧迫編】

先日、柏市消防局主催の乳幼児救命講座に参加してきました。開催場所は柏市地域子育て支援拠点はぐはぐひろば若柴さん。
8組の親子が集まりました。
今日からシリーズ2回に分けて講座で学んだことをまとめていきます。
今回は乳児と小児の【胸骨圧迫】についてお伝えします。もしもの時に慌てずに対応できるように知っておきましょう。

心肺蘇生法はどんな時に役立つの?

心肺蘇生法の目的は、傷病者が心肺停止、またはこれに近い状態になったときに呼吸や循環を補助することです。
心臓が止まっている間に素早く心肺蘇生法を実施することで、脳や心臓に血液を送り続け、
心拍再開後に脳に後遺症を残さないようにします。

心肺蘇生法【胸骨圧迫】の流れ

柏市消防局の女性隊員で結成された「にじいろ救命女子」チームの中村さんが、女性ならではの視点も入れてお話を聞かせてくださいました。

ここでは1歳未満を「乳児」、1歳以上16歳未満を「小児」としてお話を進めていきます。

1 安全確認

自分の安全を確かめ、傷病者に近づきます。

2 反応(意識)の確認

乳児…乳幼児は足の裏に刺激が集まりやすいので、足の裏を叩きながら呼びかける。
小児…肩を叩きながら呼びかける。

最初は優しく、徐々に大きな声で「大丈夫?分かる?」を2、3回繰り返します。
反応がない、またはうっすらしか反応がなくいつもと違うと違和感を感じた場合は次へ。

3 119番通報と協力者の要請

協力者がいる場合…119番通報とAEDを持ってきてもらう
誰もいない場合… 自分で119番通報をする、近くにAEDがあることが分かっていればすぐに取りに行く

4 呼吸の確認

乳幼児は、腹式呼吸をしているので大人に比べて胸とお腹が大きく動きやすいため、
胸〜お腹を見て、普段通りの呼吸ができているか確認します。呼吸の確認は10秒以内

呼吸がない、またはいつもと様子が違うと判断したら次へ。

5 胸骨圧迫【強く・早く・絶え間なく】

乳児…圧迫する位置は、両乳頭をむすぶ線の少し足側。基本的には何となく胸の真ん中だそうです。
そこに胸骨という硬い骨がありその骨の下に心臓があるので、胸骨を圧迫することで同時に心臓マッサージをすることになります。
胸の厚さ1/3が沈む深さまで指2本(人差し指と中指、または中指と薬指)でしっかり圧迫します。

小児…圧迫する位置は、胸の真ん中両手を重ねて胸の厚さ1/3が沈む深さまで圧迫します。
肘が曲がらないように真上から真っ直ぐ押すことが大事だそうです(横から押してしまうと肋骨が折れてしまう恐れがあるため)。

1分間に100回〜120回を目安として圧迫しますが、
「ああ アンパンマン やさしい 君は いけ! みんなの夢 まもるため」のアンパンマンマーチのリズム合わせてやるとちょうどいいそうです。
できるだけ中断せずに圧迫することが大事だそうです。

6 人工呼吸

子どもは、心臓が原因で心拍停止になる例より、呼吸が原因で心拍停止になることがほとんどなので、
人工呼吸はできる限りやった方がいいそうです。

顎を少しだけ上げて気道確保し
子どもの口と鼻を覆った人工呼吸で「フーフー」と2回息を吹き込みます。

胸骨圧迫と人工呼吸を以下のサイクルで継続します。
胸骨圧迫30回 + 人工呼吸2回

胸骨圧迫と人工呼吸を止めるタイミングは以下の通りです。
救急車が到着し、引き継いだ時
明らかに意思を持って動いた時(胸骨圧迫している腕を払いのけようとするなど)

7 AEDが到着したら直ちにAEDを貼る

AEDの使い方については、次回(6/14)の記事で詳しくまとめています。

 

まとめ

乳児と小児の胸骨圧迫についてまとめました。
柏市消防局救急課、柏市子育て支援課、柏市地域子育て支援拠点はぐはぐひろば若柴さんの承諾を得てこの記事を書かせていただきました。

柏市消防局救急課「にじいろ通信Vol.54」でも乳児の心肺蘇生法について記載されていますので、ご覧になって見てください。

【参考】

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